第150章 彼の肩を持つな

(牧野結菜の視点)

平山里穂子との通話を切り、マンションの前に寄りかかったまま、俯いてスマホの画面を見つめた。

岩本源が最後に残した一言が、まだ頭の奥に刺さっている。

――「俺の弁護士費用なら、とっくに誰かが君の分まで清算してくれてる」

誰が?

何度も反芻するほど、胸の奥に小さな引っかかりが増えていく。

そのとき、また着信。岩本源からだった。

「牧野さん、夜7時。城南の新しいレストラン、個室取った。来て」

「行きません」

「即答すんなって。今日は奢りだ。牧野さんの財布は出番なし」

眉間に力が入る。

「……私の弁護士費用を払った人のこと?」

「そう。そいつが『勝訴はめで...

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