第151章 契約結婚

(牧野結菜の視点)

スマホが、またぶるっと震えた。

岩本源からのメッセージ。

『牧野さん、本当に来ないんですか? 徹也さん、牧野さんが来ないって聞いて、顔色よくないですよ』

画面を見つめたまま、返信しない。

顔色が悪い? だから何。平山徹也の顔色がどうだろうと、私には関係ない。

……そう思うのに、頭のどこかで映像が勝手に再生される。

食卓の向こう側。私が来ないと聞いた瞬間、彼の表情がほんの一拍だけ固まる――そんな光景。

平山徹也の「顔色が悪い」なんて、想像がつかない。

あの人はいつだって人を寄せつけなくて、距離があって、まるで外せない仮面をつけているみたいなのに。

さらに...

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