第153章 誰に頼まれて手伝ったんだ

(牧野結菜の視点)

電話の向こうで、岩本源がきっかり五秒、黙り込んだ。

「牧野さん、あんたその頭で弁護士やってるの、もったいないわ」あっさり観念したように言う。「いいよ、白状する。さっきのは平山徹也に頼まれたわけじゃない。俺の独断だ」

「知ってる」

「知ってるなら怒るなって。俺さ、こういう性分なんだよ。友だちがバカやってるの見ると放っとけなくてさ、つい手ぇ出したくなる」

私は返さなかった。助ける? 誰を? 平山徹也を、それとも私を?

岩本源は二秒待って、私が黙ったままだと見るや、話題に切れ目を入れるみたいに切り込んできた。

「牧野さん、悪いけど一つ聞く。あんたと平山徹也って、結...

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