第157章 からかわれた

(牧野結菜の視点)

「万年筆じゃ、さすがに軽すぎるの。前にサファイアのカフスボタンはもう注文してあって、本当は香水とネックレスのお返しにするつもりだった。でも今は“証拠”の件まで増えたでしょう。カフスだけじゃ足りない気がして、もう一つ選ぼうと思って」

平山里穂子が、ベッドの上で跳ね起きたみたいな声を出した。

「ちょっと待って? もう買ったの? いつ?」

「一昨日くらい」

「牧野結菜!」声が半音上ずる。「あんた、私に黙ってどれだけ勝手に動いてんの?」

「これだけだよ」

里穂子が大きく息を吸う。落ち着こうとしてるのが、電話越しでもわかった。スマホを握りしめて、眉間にしわ寄せて、口を...

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