第158章 離婚を祝う

(牧野結菜の視点)

鼎盛グループ、午後三時。

原稿の赤入れをしていると、スマホがぶるりと震えた。杉浦晴陽からのメッセージだ。

【杉浦晴陽:結菜、今夜空いてる? 春城レストランに席を取った。飯でも食いながら、来週の提案のすり合わせもしたい】

時刻を確認して、二秒だけ迷う。

あの件が片づいてから、社内で私と杉浦晴陽に関する噂は表向きは落ち着いた。けれど、陰で刺さる視線は消えていない。これ以上、誰かの暇つぶしの話題を増やしたくなかった。

それでも――杉浦晴陽には、借りがある。

福山真司が社内の廊下で騒ぎを起こしたあのとき、前に出て止めてくれたのは彼だった。あとの社内の火消しも、ほとん...

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