第162章 三日

(福山真司の視点)

首を傾けると、岩瀬が床際の椅子に縮こまり、首をかしげたまま眠り込んでいた。手にはスマホを握りしめたまま。

「岩瀬」

彼はびくっと跳ね起き、椅子から転げ落ちそうになりながら叫ぶ。

「福山社長! お目覚めですか!」

「今、何時だ」

「朝の七時です」

俺はベッドの縁に手をついて身体を起こし、鼻のチューブを乱暴に引き抜いた。続けて点滴の針も抜く。指の隙間から血がつうっと落ちた。

「福山社長! それは――」

「服」

岩瀬は口を開きかけ、俺の顔色を見て言葉を飲み込んだ。踵を返し、服を取りに行く。

シャツに袖を通し、第二ボタンを留めたところで、病室のドアが外から押...

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