第164章 一年

(牧野結菜の視点)

平山里穂子は唇をきゅっと噛み、ずっと飲み込んでいた言葉をようやく吐き出した。

「結菜、兄がさ……外で食べるのは嫌だって」

私は眉をひそめる。

「つまり、私が本気でお礼したいなら……自分で作れって?」

指先がグラスの縁で止まった。

「本人は、なんて言ったの?」

里穂子はスマホを取り出し、平山徹也とのトーク画面を開いて私に差し出す。

【平山里穂子:結菜がご飯おごるって。行く?】

【平山徹也:外のは食わない】

【平山里穂子:は??選り好みすんな】

【平山徹也:選り好みじゃない。腹が減ってないだけ】

【平山里穂子:じゃあどうしたいの】

【平山徹也:恩返し...

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