第167章 彼はわざとだ

(牧野結菜の視点)

午後三時。私はパソコンに向かって修正作業をしていた。

そのとき、スマホが狂ったみたいに震え出す。

平山里穂子からのメッセージが、ぽん、ぽん、ぽん、と止まらない。

句読点にまで怒気が乗っている。

「結菜!!! 大ニュース!!!」

「今日、兄が福山真司と契約したんだけど、サインしたあと、わざとあのサファイアのカフスボタン見せたの! 結菜がくれたやつ!」

「福山真司が『誰にもらった』って聞いて、兄が結菜の名前言った!!!」

「そしたら福山真司がその場で平山グループで発狂して、エレベーターのドアぶん殴って、手から血まで出して、ホールに座り込んで動かなくて、最後は連...

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