第184章 彼のせいなのか?

(牧野結菜の視点)

反射的にスマホを取り出して確認する。新着メッセージ。差出人は杉浦晴陽。

【あいつのせいか?】

――あいつ。聞かなくてもわかる。福山真司のことだ。

「結菜、着いたぞ」

隣の村上先輩がひと言、促した。

我に返り、スマホをポケットへ押し込む。エレベーターを足早に降りた。先輩の前で、少しでも動揺を見せたくなかった。

デスクに戻っても、すぐには座らない。先に給湯室へ行き、ぬるめの白湯を一杯。温かい水が喉を滑り落ちると、胸の奥にこびりついた、言葉にならない苛立ちが少しだけ鎮まった。

先輩がそう聞く理由はわかっている。前にレストランで福山真司と鉢合わせしてから、今日の食...

ログインして続きを読む