第21章 命日

(福山真司の視点)

また、会食とパーティー漬けの日々が始まった。

隣にいるのはいつも村山愛未だ。完璧に整えたメイク、柔らかい笑み。

――なのに、本物の「福山夫人」は、この世界から消えたみたいだった。

その夜も、俺は飲みすぎた。

車の後部座席に沈み込み、苛立ちまぎれにネクタイを引っ張る。アルコールが胃の奥を焼いて、きりきりと痛んだ。

村山愛未が水を差し出す。

「真司兄、飲みすぎです。マンションにお送りして休みましょう?」

「別荘だ」

吐き捨てるように言った。

なぜ、わざわざ別荘へ戻るのか自分でもわからない。

ただ、あの女を見たかったのかもしれない。――まだあの冷えた態度の...

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