第219章 ひざをつく

(福山真司の視点)

廊下のいちばん奥。岩瀬の報告を聞いたあとも、どうしても目で確かめたくて、俺は車椅子のままそこにいた。廊下の突き当たりのガラス越しに見えたのは、ベッドの上で涙に濡れた結菜の姿だった。

頬は涙でぐしゃぐしゃで、唇だけがかすかに動いている。声は弱すぎて、何を言っているのか聞き取れない。幸村のお母さんはベッドに突っ伏し、結菜の手の甲に額を押し当てたまま、全身を震わせていた。幸村千弘はその横に立ち、片手で母親の肩を支え、もう片方の手でスマホを握りしめている。画面はまだ点いたまま――おそらく、あの鑑定報告書だ。

結菜の涙は止まらない。声を上げて泣くんじゃない。音のないまま、ぽた...

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