第225章 門の外

【福山真司の視点】

岩瀬が来たころには、外はもう真っ暗だった。ノックもせずに扉を押し開けて入ってきた彼の顔色が、いつもと違う。

「福山社長、店のほうから連絡が入りました」

俺は手にしていた紙コップを置き、視線を上げる。

「村山愛未はあの店に着いてから、すぐには出ませんでした。店長としばらく話し込んで、マスクを外して……自分は幸村家の行方不明になった娘だ、兄と喧嘩して家を飛び出してきた、と言ったそうです。店長は信じて、身を隠せる場所を用意した。城西の、身分証を確認しないホテルです」

指先が、じわじわと強張っていく。

幸村家の娘。

あいつはネックレスを盗み、髪を盗み、身分を盗んだ。...

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