第236章 エレベーターでの告白

(牧野結菜の視点)

平山里穂子が出ていって、しばらく経つ。

窓の外の陽射しはベッドの足元へ移っていて、細く、今にも切れそうな金の糸みたいだった。私はその光の筋を見つめながら、胸の中がぽっかり空いたまま、何かが宙ぶらりんで落ちてこない感覚に囚われていた。

さっき部屋を出るときの彼女の顔が、頭の中でくるくる回る。悲しい、じゃない。何かに引っかかって、うまく噛み砕けないまま飲み込んでいるような、あの居心地の悪さ。

里穂子は隠し事が下手だ。嬉しいときは目がきらっと光るし、落ち込むと口の端が下がる。けれど、あんな表情は見たことがない。喉の奥に言葉が詰まって、飲み込めもしない、吐き出せもしない―...

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