第29章 誰にこんなことをさせた?

(福山真司の視点)

あの夜、俺は村山愛未を連れて別荘に戻り、夕食を取ることにした。

料理が並んで、俺はスペアリブを一切れ口に放り込んだ。――しょっぱすぎる。苦いほどに。

その場で罵ってやったのに、彼女は何も言わず、くるりと身を翻して二階へ消えた。

結局、愛未が俺を連れ出して外で食べ直した。

帰りの車の中、俺の頭に貼りついて離れなかったのは、あいつの顔だ。黙ったまま、言い訳もせず、誰も見ない。木偶みたいに。

別荘へ戻ると、酒の勢いも借りて、俺はリビングで愛未とわざと芝居を打った。壁に押しつけ、顔を寄せ、声は大きくも小さくもなく――二階に届く程度に整える。

「愛未、今あいつがこの光...

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