第33章 意識不明

(福山真司の視点)

夜が更けても、俺は寝室のベッドで寝返りばかり打っていた。

脳裏に浮かぶのは、あいつの無表情な顔と、「これは母の形見なの」という一言。苛立って身体をひっくり返し、布団を肩まで引き上げたと思えば、すぐに蹴りのける。目を閉じて、開いて、また閉じる。瞼の裏にあの顔がへばりついて、どうしても消えてくれない。

どれくらい経ったのか。ようやく意識が、ぼんやり霞みはじめた。

――

午前五時。扉を叩きつけるような荒いノックが、沈みかけた俺を引きずり上げた。

「ドン! ドン! ドン!」

「真司兄! 真司兄、起きて!」

村山愛未の声。甲高くて切羽詰まっていて、何かに追われている...

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