第34章 死ぬな

(福山真司の視点)

「し……市立中央病院です! ここからいちばん近い、あの……!」

警備員は俺に凄まれて、声を震わせた。

市立中央病院。

俺はそいつの襟元から手を離し、踵を返して車のドアを乱暴に開け、そのまま運転席へ飛び乗った。頭の中は真っ白だった。ただ一つの考えだけが、壊れたテープレコーダーみたいに何度も何度も回り続ける。

牧野結菜、お前は死ぬな。

あれだけ強気だっただろう。俺に噛みついて、顔色まで見せてきたくせに。

だから持ちこたえろ。

俺が死ぬなと言ったんだ。勝手に死ぬことなんて、許さない。

エンジンが唸りを上げる。アクセルを床まで踏み込んだ。

赤信号をいくつ無視し...

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