第35章 防犯カメラ

(牧野結菜の視点)

目が覚めると、喉が火で焼かれたように痛んだ。呼吸をするたびに肺が引き攣れて、重苦しい痛みが走る。

窓の外はどんよりと灰色に曇っていて、今が朝なのか午後なのかも見当がつかない。消毒薬の臭いが鼻腔を突き、吐き気を催させた。 私は顔を向け、窓の外に広がる灰色の空を眺めた。その瞳には、何も映っていなかった。

しばらくして、病室のドアがこんこんと叩かれた。岩瀬が大きな果物籠を提げ、足音を忍ばせるように入ってくる。ベッドの上で“まだ眠っている”私を見て、仕方なく果物籠を置き、しばし枕元に立ったあと、そのまま出ていこうとした。

「待って」

声をかける。ひどく掠れていて、冷た...

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