第46章 空っぽのまま

(福山真司の視点)

夜の帳が下りる。会社で灯りがついているのは、俺のオフィスだけだった。

苛立ちまぎれに書類をデスクへ放り投げる。もう21時。――あの女は、本当に電話一本、メッセージ一通よこさない。よくもまあ、そんなに平気でいられるな。

胸の奥に何かが詰まって、上がってこない。下にも落ちない。息の仕方すらわからなくなる。

立ち上がり、巨大な窓の前に立って、足元の街灯りを見下ろした。眩しいほどの光の海なのに、心の中だけががらんどうだ。……もうここにはいられない。ジャケットを掴み、足早に廊下へ出た。

車に乗り込んでも、運転手は呼ばなかった。後部座席でひとり、煙草に火を点ける。

どこへ...

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