第48章 彼女は去った

(福山真司の視点)

俺はスマホの画面を睨みつけた。五分、十分、三十分、一時間。

送ったメッセージは、まるで海の底に沈んだ石だ。既読にもならない。拒否にもならない。『受信拒否されました』の表示すら出てこない。

見たんだ。見たに決まってる。

それで――無視した。

俺の怒りも、取り乱しも、彼女の目には取るに足らない茶番に見えたのだろう。

胸の奥にくすぶる火が、今にも穴を開けそうだった。俺はそのまま岩瀬さんに電話をかけた。

「……福山社長?」寝起きの掠れた声が返ってくる。

「調べろ。今すぐだ。牧野結菜がどこにいるか、掘り返してでも見つけろ」

声に込めた圧に、相手の眠気が一気に吹き飛...

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