第67章 最後の三十日間

(福山真司の視点)

福山グループ、社長室。

バンッ!

俺はドアを蹴り開けた。轟いた音に、廊下を通りかかった社員がびくりと肩を跳ねさせる。

「岩瀬! 今すぐ入ってこい!」

岩瀬は転げるように駆け込んできて、俺の顔色を見た瞬間、膝が笑ったらしい。

「ふ、福山社長……」

「前にお前に手配させた、村山愛未のマンションだ。今すぐ解約しろ。荷物は一つ残らず叩き出せ。江城で、あいつの痕跡を一切見たくない」

「は、はい! 福山社長! すぐに!」

岩瀬は振り向きざま、逃げるみたいに飛び出していった。

俺は力が抜けたように椅子へ沈み込む。

わかっている。村山愛未を追い払ったところで、何も終...

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