第69章 通報

(福山真司の視点)

黒のベントレーを、杉浦グループ本社ビルの向かい――人目につかない地味な路肩に停めていた。

車内は煙で白く霞んでいる。俺はスマホの画面から目を離さない。そこには、点滅する赤い点がひとつ。五十万でハッカーから買った、牧野結菜の新しい番号のリアルタイム位置情報だ。

赤い点は朝からずっと、このビルの中に張りついたまま動かない。

……本当に、一日中。あいつは杉浦の男と一緒にいた。

「福山社長……」

助手席の岩瀬が、俺の顔色をうかがいながら小さく声をかけてくる。青ざめて、息をするのも怖いといった様子だ。

「言え」

歯の隙間から絞り出す。視線は画面に釘づけのまま。

「...

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