第83章 どうしてあなたが私の代わりに決めるの?

(牧野結菜の視点)

そのころ、会社では――。

私は自分のデスクに向かい、設計図の修正に没頭していた。

「牧野さん」

デザイン部長の青山明が、机を軽く指で叩いた。表情はどこか硬い。

「ちょっと、私のオフィスまで来て」

ペンを置き、私は彼女のあとに続いた。

ドアが閉まった途端、青山部長の顔から厳しさが消え、代わりに心配が滲む。

「結菜、……まずいことになったの」

声を落とし、彼女は続けた。

「今朝、人事部と杉浦社長のメールに、匿名の告発が届いた」

胸が小さく跳ねた。けれど顔には出さない。

「……私の、何を?」

「履歴書の虚偽申告、だって」

青山部長は言いにくそうに眉を...

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