第90章 晒す

(牧野結菜の視点)

「そうだよな、青山部長」

マーケティング部の木村部長まで身を乗り出してくる。

「牧野さん、あれだけデキるのにデザイン部に置いとくのはもったいないですよ。うち、ちょうどデカい案件が動いててね。今まさに、彼女みたいな即戦力が欲しいんだ」

「木村、調子いいこと言うなよ」

負けじと小宮部長が割って入った。

「牧野さんは数字に強いし、筋道立てて考えられる。経理部が一番向いてるだろ。ちょうど副部長の席が――」

次から次へと飛んでくる言葉は、親切というより、熱が過ぎる。

それが、余計に気持ち悪かった。

入社してまだ日が浅い。昨日の会議で目立ったとはいえ、普段は雲の上み...

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