第94章 確認

(福山真司の視点)

俺はハンドルに拳を叩きつけた。

――ドンッ。

鈍い衝撃が掌から骨へ響き、じんと痛む。だが、こんな痛みが胸の痛みに比べれば、取るに足らないものだった。赤いテールランプが視界の奥へ溶けて消えていくのを見届けた瞬間、全身から力が抜けた。俺はシートに沈み込み、背もたれにぐったりと身を預ける。

そこへ、空気を読まない着信音。

表示されたのは福山家の固定電話だった。苛立ちに任せて切る。

……だが、次の瞬間にはまた鳴る。しつこい。

俺は深く息を吸い、通話ボタンを押した。

「この馬鹿息子が!」

繋がった途端、父の怒号が耳を裂いた。

「お前、何をしでかしたかわかってるの...

ログインして続きを読む