第95章 お答えできません

(福山真司の視点)

スマホが、ぶるっと震えた。

俺は我を忘れたようにそれを掴み取る。画面に表示されていたのは、平山徹也から届いた写真だった。

ぼやけた後ろ姿。二人の女が肩を並べ、マンションのエントランスへ入っていく。輪郭だけがかろうじて判別できる程度で、光は暗く、角度もやけに遠い。どこかから盗み撮りしたのが丸わかりだ。

だが、そのうちの一人は――一瞬でわかった。

牧野結菜。

結菜だ。

その二文字が頭の中で爆ぜた。視界が、さっと白くなる。心臓がぎゅっと縮み、次の瞬間には膨れ上がって、胸を突き破って飛び出しそうだった。抑えきれない喜びと、噴き上がる怒りが一気に全身を呑み込む。

あ...

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