第96章 後味の悪い別れ方になる

(福山真司の視点)

この偽善者め……!

義理だの何だの、結局は足元を見て値を吊り上げたいだけじゃないか。しかも俺の電話を切りやがった。

脳裏に、平山里穂子のあの尊大な顔が浮かぶ。続いて、平山徹也の白々しい面――胸の奥から怒りが噴き上がり、頭のてっぺんまで一気に駆け上がった。あの兄妹、ろくなもんじゃない。

荒い息のままエンジンをかけ、車を走らせる。

だが、少し行ったところで――俺は急ブレーキを踏み込んだ。

……どこへ行く?

彼女がどこにいるのか、俺は知らない。世界はこんなに広いのに、たった一人の居場所すら掴めない。唯一、かろうじて胸を支えたのは、平山徹也が最後に吐いた一言だった。...

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