第259章

公衆電話を使って正解だった。これなら、向こうがいくら調べようとしても、自分にはたどり着けないはずだ。

鈴木芳子は簡易宿泊所に戻ったが、その姿は以前にも増して荒みきっていた。

彼女は布団の中にうずくまり、頭を出すことさえ躊躇われるほど怯えている。

備蓄していた食料も、もう底をつきかけていた。このまま外に出なければ、餓死するしかないかもしれない。

芳子は今更ながら後悔していた。あの能無しの弟なんかに処理を任せるべきではなかったのだ。あの愚か者は、何一つまともにこなせやしない。

水原拓真に感づかれた今、彼の執念深い性格からして、地の果てまで追いかけてくるに違いない。そうなれば、自分はどう...

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