第264章

「でも、このプロジェクトは私が望んで引き受けたわけじゃない。ジェイムズさんからの指名だったの。以前、あなたのことも推薦したけれど、ジェイムズさんに認めてもらえなかっただけよ」

「真実を知ろうともせずに、全ての恨みを私にぶつけるなんて……入社したばかりの新人を相手に、少し不公平だと思わない?」

黒川綾は最初から、鈴木芳子が自分に対して何を恨んでいるのか、その核心を理解していた。だが、二人が膝を突き合わせて話し合う機会は、これまで訪れなかった。

黒川綾は少なからず後悔していた。もしもっと早く、全てのわだかまりをさらけ出して話し合えていれば、事態はここまで拗れなかったかもしれない。

黒川綾...

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