第269章

山崎景年と白井雪叶が別れて以来、自分から山崎景年に連絡を取ることはなかった。彼の方も、こちらの生活に干渉しないよう配慮していたのだろう。長い間、音信不通の状態が続いていた。

それなのに、突然の電話だ。一体、何事だろうか。

黒川綾が通話ボタンを押すと、受話器の向こうから山崎景年の切迫した声が響いてきた。

「綾、もし時間が空いているなら、白井雪叶の様子を見てきてくれないか? ずっと連絡がつかなくて……何かあったんじゃないかと心配なんだ」

「あいつ、変なところで強がる癖があるだろう。何かあっても一人で抱え込むタイプだから、どうしても気がかりで」

その言葉に、黒川綾はハッとした。確かに自分...

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