第270章

「逆に、ふっと肩の荷が下りたような気分。景年と一緒にいた頃は、『いつか彼に嫌われるんじゃないか』って、いつも怯えていたから……そうなったら私、どうすればいいのか分からなくて」

「でも、こうして突然離れ離れになって、彼からも連絡が来なくなって……正直、ホッとしてる自分がいるの。私たち二人の関係が、本当はどういうものだったのか、ようやく見えた気がするから」

「景年にとって私は、ただの同情の対象だったのかもしれない。可哀想だから一緒にいてくれただけ……。でも、もう元の自分に戻らなきゃ。誰かの同情にすがりついて生きるのは、もう嫌」

白井雪叶のこの言葉は、黒川綾にとって少し意外だった。だが黒川綾...

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