第291章

「この番号なら、いつでも繋がるか? もう二度と俺の前から消えないでくれ。いない間、俺がどれだけ心配したか……。絶対に連絡を絶やすな、いいな?」

水原拓真の悲痛なまでの念押しに、黒川綾は即座に頷いた。

「安心して。私はどこにも行かないわ。ここであなたが来るのを、ずっと待ってる」

黒川綾からその確約を得て、水原拓真はようやく胸を撫で下ろした。通話を切るや否や、彼は秘書に命じ、最速でその携帯番号の位置情報を特定させた。

弾き出された座標を見て、水原拓真は眉をひそめた。なぜ黒川綾は、またしてもこのような人里離れた山奥に連れて行かれたのか。周囲は険しい山道ばかりで、陸路での接近は困難を極める場...

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