第326章

水原拓真は小さく頷いた。頑なにシラを切る吉野文詠の様子を見て、これ以上の問答は時間の無駄だと見切りをつけ、視線を真っ直ぐにその写真へと落とした。

「ほんの偶然からこの男を見つけ出してね。調べてみれば、とんでもない大物だった。海外でも名の知れた組織のトップクラスの殺し屋だそうだ」

「重要なのはここからだ。奴はあっさりと君を知っていると白状したよ。それも、ただの知人というレベルではなく、極めて特別な関係だとな」

「だが、君は彼と面識すらないと言い張る。さて、私は一体どちらの言葉を信じるべきかな?」

回りくどい言い回しをするつもりは毛頭ない。水原拓真は以前、黒川綾に誓っていたのだ。彼女の失...

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