第349章

白井雪葉は、今回の件について事の次第をはっきりと見抜いていた。

黒川綾はまだ入社して日が浅く、裏の事情まで読み切れないのも無理はない。白井雪葉もそのことは十分に理解している。

白井雪葉の親身な言葉に慰められ、黒川綾の表情にもようやくわずかながら明るさが戻ってきた。

彼女は白井雪葉を見つめ返し、力強く頷いた。

「雪葉さんの言う通りです。こういう問題は、いつかちゃんと向き合わなきゃいけないんですよね」

「これまでずっと、厄介事は全部皆さんに助けてもらってばかりでした。でも、いつまでも皆さんの後ろに隠れているわけにはいきません」

「今回の件は、私にとっていい教訓になりました。この業界が...

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