第351章

水原拓真の固い決意を目の当たりにして、水原雪乃はその考えを変えさせるのが容易ではないと悟った。

彼女は深く、重いため息をついた。

「いいでしょう。この件は、最終的にあなたが決めることよ」

「そこまで黒川綾を重んじ、彼女のために尽くすと言うのなら、自分の思い通りになさい」

「今日の選択を、後で悔やまないことね」

水原拓真はそれ以上何も言わず、立ち上がって部屋を出て行った。

水原雪乃は退院後、すぐさま会社へと向かった。

水原雪乃という大黒柱を欠いた『水原ジュエリー』は、すっかり混乱に陥っており、多くのプロジェクトの進捗が遅れをとっていた。

出社してきた彼女の姿を見るや否や、社員た...

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