第367章

しばらく待っても水原拓真が降りてこなかったため、黒川綾は仕方なく車で子どもを学校へ送り届け、その後一人でアトリエへと向かった。

だが、車が角を曲がった途端、アトリエの入り口に記者が群がっているのが目に入った。

彼らは大小さまざまなカメラを構えており、まるで人を喰らおうとする悪魔のようだった。

黒川綾は慌ててハンドルを切り、車を物陰に停めると、帽子とサングラス、マスクを身につけ、オフィスビルの裏口からこっそりと忍び込んだ。

その異様な姿を見た白井雪叶は、驚いて目を丸くした。

「ちょっと、どうしたのその格好」

「仕方ないじゃない。外は記者だらけだし、アンチが腐った卵を持って待ち構えて...

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