第372章

早朝。

水原拓真は目の下に隈を作ったままベッドから起き上がり、無意識に輝星の部屋へと向かった。

しかし、部屋の中はもぬけの殻だった。

顔色を変え、ドタドタと階段を駆け下りる。

いつもなら賑やかなはずのダイニングテーブルは、ひっそりと静まり返っていた。

凍りつくような冷たい声が響く。

「あいつらはどこだ」

「奥様は若様を連れて学校へ向かわれました。本日は学校で特別な行事があるとのことで、いつもより一時間早く出発なさいました」

冷気を纏ったかのような坊ちゃんを前に、執事は困惑し、心配そうな表情を浮かべる。

拓真は淡々と頷き、二階へ上がって着替えると、そのまま屋敷を後にした。

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