第376章

深夜の静寂に包まれ、通りを行き交う車は数えるほどしかなかった。

車は夜の街を疾走し、美しいネオンの光が次々と窓の外を流れていく。

黒川綾は輝星をしっかりと腕に抱きながら、窓の外へと視線を向けていた。

車内には、どこか異様な静けさが満ちている。

しばらくして、水原拓真が軽く咳払いをした。「今日の件、どうするつもりだ」

彼はノートパソコンを綾の手元へと放り投げた。

綾はそれに一瞥をくれ、「警察に通報します」

「本気か?」

「当然です。このまま泣き寝入りするつもりはありませんから」

だが、この程度の事案では、警察沙汰にしたところで痛くも痒くもない罰で終わるだろう。

黒幕にしてみ...

ログインして続きを読む