第400章

午前3時。

水原拓真はまだ帰っていない。

黒川綾は腫れた足首に視線を落とし、フランス窓の前に立って、その口元に自嘲の笑みを浮かべた。

男が夜中になっても帰らない。行く当てなど、たかが知れている。

私が彼を満足させられなかったから、他の女のところへ行ったのだ。

胸に手を当てると、息苦しさが押し寄せてくる。

何度か深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。眠気もなかったので、何か食べるものでも用意しようと考えた。

階下へ降りてリビングに足を踏み入れた途端、ひどく強い酒の匂いが鼻を突いた。

微かな光を頼りに、ソファに横たわっている人影を目にして黒川綾はビクッと体を震わせた。声をかけようとし...

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