第405章

しばらくして、白井弦羽はふうっとため息をつき、手を離して彼女を傍らへ放り投げた。

「言え、これからどうするつもりだ? 出て行きたいなら送ってやるし、一生食うに困らないだけの大金もくれてやる」

有言実行とばかりに、彼は鞄から一枚の小切手を取り出して差し出した。

吉野文詠はそれを一瞥すると、小切手をびりびりに破いてゴミ箱に捨て、犬のように白井弦羽の前にひざまずいた。

「私は行きません。ずっと、あなたのおそばにおります」

「長島奥さんたちのように役には立てないと分かっています。私には取るに足らないことしかできませんが、それでも、ずっとおそばにいたいのです。永遠に、いつまでも……」

「な...

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