第422章

黒川綾はビクッと体を震わせ、必死に抵抗した。

「お医者様が……」

「ちょっと触れるだけなのに、ダメなのか?」

まただ。この捨て犬のようにいじけた声。

横暴で理不尽な水原拓真に対してなら、黒川綾は躊躇なく拒絶できる。だが、こんな顔を見せられると、どうしても心が揺らいでしまう。

腕の中の彼女が抵抗をやめたのを察知し、水原拓真の唇に微かな笑みが浮かぶ。万力のような両腕で再び彼女をきつくホールドし、一切の逃げ場を奪うと、黒川綾の指先へと視線を落とした。

つい先ほどまでキーボードを叩き続けていたせいで、その指にはくっきりと跡が残っている。

白く滑らかな肌についた、忌まわしい瑕疵。

実に...

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