第435章

物思いに沈んでいた水原雪乃は、向こう側を通り過ぎようとする山崎丈司の姿を目ざとく見つけ、慌てて歩み寄った。

「待って、山崎さん。少しお話しできないかしら」

車のドアを開け、まさに立ち去ろうとしていた山崎丈司は、背後から声をかけられて動きを止めた。

振り返って彼女の姿を確認すると、意味深な口調で口を開く。「我々の間に、まだ話す必要があるのか?」

「もちろん。ビジネスはビジネスよ。私たち、決して対立しているわけではないでしょう?」

水原雪乃は自ら一歩距離を詰めた。「わかっているわ。あなたは白井寧々を守りたい。そして私には、海外に力になってくれる友人がたくさんいる」

山崎丈司は含みを持...

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