第460章

水原雪乃は俯き、心を痛めつつも、会社のためだと非情な決意を固めた。

「今のあなたには分からないでしょうけど、これも全てあなたのためなの。私を恨んでいるのは分かっているわ、でもこうするしかなかったのよ」

「社員たちのことを考えてちょうだい。彼らは皆、あなたを頼りに生きているのよ。もし会社に何かあれば、数万人が路頭に迷うことになる。数万の家族がね」

水原拓真は何も答えず、ただ静かに見つめていた。

この瞬間、目の前にいる人物が酷く見知らぬ他人に思えた。

家族が事故に遭って以来、二人は長年肩を寄せ合って生きてきた。彼にとって、水原雪乃は誰よりも優しく、最も慈愛に満ちた年上の存在だった。

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