第474章

白井弦羽の顔には傷があったが、彼に向けられる突き刺すような視線など気にも留めず、相変わらず温和で優雅な佇まいを崩さなかった。

そして、その毅然とした態度こそが、多くの人々の目を惹きつけていた。

あれほど痛めつけられながらも、顔色一つ変えずに公衆の面前に姿を現すことができるのだから、大したものだと言える。

一方、白井弦羽に対する寛容な空気とは対照的に、黒川綾が姿を見せると、周囲の反応は冷ややかだった。水原拓真の顔を立てて口にこそ出さないものの、多くの者の目には明らかな蔑みが浮かんでいた。

黒川綾の頭にはガーゼが貼られていた。帽子を被って隠してはいるものの、先ほど何があったのか、この場に...

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