第476章

焼け付くような熱と、焦がすような視線。

そして、その瞳の奥に宿る血のような赤。

——罠にはめられたのだ。

黒川綾は胸を震わせ、ごくりと息を呑むと、水原拓真の腕を掴み返して足早にその場を離れた。

今回のパーティーは規模が大きく、客が休むための部屋がいくつも用意されていた。

あっという間に二人は空き部屋に飛び込み、バタンと勢いよくドアを閉めた。

閉まった瞬間。

水原拓真の全身から、普段とは全く異なる、骨まで凍てつくような陰湿な気配が放たれた。

今の彼はまるで地獄から這い上がってきた悪鬼のように、身の毛もよだつオーラを纏っている。

綾は恐怖のあまり後ずさりした。

「様子がおかし...

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