第503章

一瞬、場は極めて気まずい空気に包まれた。

警察署の職員は中の様子を一瞥し、思わず口角を引きつらせた。

あまりにも度が過ぎている。

なんという優雅なご身分か。

逮捕されたというより、まるでバカンスではないか。

彼は口元をピクつかせたが、上層部からの指示である以上、口出しはできなかった。

黒川綾は冷笑を浮かべて中を見下ろした。

「随分といいご身分ね。それほど豪胆なら、刑務所に入った後も一生そうやって楽しんでいればいいわ」

「このクソ女、何デタラメ抜かしてやがる」

山崎丈司が口を開くより早く、山崎丈巳が勢いよく立ち上がった。

彼はピエロを見るような目で黒川綾をねめつけた。

「...

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