第524章

黒川綾はスマホを取り出し、タイマーをセットした。

刻一刻と、残り時間が減っていく。

白井寧々は地団駄を踏んで焦った。

「どうしてよ? あんた、すごくお人好しじゃなかった? この間も見逃してくれたじゃない」

黒川綾は目を閉じ、目の前の女を相手にするのをやめた。

白井寧々はまるで狂犬だ。

その場の感情だけで動き、世間の常識や義理など微塵も理解していない。

前回助けてやったというのに、手のひらを返してこちらを捕縛してきたのだから。

こんな人間にいくら言葉を尽くしても無駄だ。実際の行動で態度を示した方が早い。

みるみるうちに、一分が底を尽きようとしていた。

黒川綾は悠然と立ち上が...

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