第530章

「大丈夫、もう取り返しのつかないこともあるから」

黒川綾は顔を上げ、涙をぐっと堪えた。「これだけのことを経験して、私はもうあの頃の泣き虫じゃない。どう対処すべきか、分かっているわ」

「ずっと傍にいてくれて、ありがとう。私、強くなる。そう簡単には負けないし、それに今の私には輝星もいるから」

家族とは、きっとこういうことなのだ。

何があっても、寄り添ってくれる人がいる。

白井雪葉は歩み寄り、黒川綾をそっと抱きしめた。「とにかく、綾がどんな決断を下そうと、私は応援するから」

「うん」

空が落ちてこない限り、仕事は続く。

黒川綾はすぐに気持ちを切り替え、仕事に打ち込み始めた。

もち...

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