第543章

夜の帳が下りた。

輝星は思い切り遊び、家族三人は家へと帰ってきた。

一日中遊んでよほど疲れたのか、輝星は風呂から上がってベッドに横になると、絵本の読み聞かせを待つこともなく、深い眠りに落ちていった。

黒川綾が寝室に戻ると、熱を帯びた視線とぶつかった。

水原拓真は喉仏を上下させ、その手にはチューブ入りの軟膏を握っている。

黒川綾はひどく不自然に目をそらした。

「本当に薬を塗らなくても平気。もう少し塗ったし、今は痛くないから。お風呂に入ってくるわ」

欲望の宿る瞳を見て、黒川綾は逃げるように浴室へ駆け込んだ。

浴室に、シャワーの音が響き渡る。

水原拓真はゆっくりと歩み寄り、ドアを...

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