第549章

車は猛スピードで道路を駆け抜けていく。

両脇の景色が瞬く間に後方へと飛び去る。

林田安織は心臓を早鐘のように打たせながら、車を道端に停め、先ほどの会話の録音を何度も何度も聞き返していた。

つまり、黒川綾は本当に水原拓真を愛していないということか?

なら、もし水原拓真がこの録音を聞いたらどうなる?

彼女から手を引くのだろうか。

そもそもこのボイスレコーダーを手に入れた時の目的は明確だった。水原拓真にこれを聞かせ、二人を別れさせることだ。

林田月香は海外にいて、様々な事情ですぐには戻ってこられない。だからこそ、ずっと彼のそばにいる自分がその隙に付け入ることができるはずだった。

だ...

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