第551章

しばらくして、白井寧々はくぐもった声で口を開いた。

「あんたが私のことを見下してるのは分かってるわ。傲慢で大した実力もないくせに、山崎丈司のコネと資金力でのし上がっただけだって思ってるんでしょ。でも……」

「あいつらが私をそうさせたんじゃない!」

「知らないでしょうけど、私だってちゃんとした演劇の学校を出てるのよ。最初は純粋な情熱を抱いてこの業界に入ったわ。でも、ここはあまりにも黒すぎた……」

目の前の女が愚痴をこぼし始めようとするのを、黒川綾は苛立たしげに遮った。

「それで? 一体何が目的なの」

「協力したいに決まってるじゃない。共通の敵がいるんだから、手を組まない手はないでし...

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